このブログはJP_Stripes Advent Calendar 2019 の10日目のブログです。
Stripe CLIについて書こうと考えていましたが、以下齋藤さん投稿で先を越されてしまいました。
そこで、過去1回だけ経験したことがある「チャージバック申請(Disputes)」について書こうと思います。
チャージバック申請(Disputes)とは
クレジットカード利用者が不正使用などの理由により、利用代金の支払に同意しない場合に、クレジットカード会社がその代金の売上を取消しすることをチャージバックと呼びます。クレジットカードの明細を見て身に覚えのない支払いを拒否して、払い戻してもらう事ができます。*1
不正利用であったり、購入した商品が届いていないなどの理由でもチャージバック申請は利用されています。
チャージバック申請が届いた
私が担当しているtenpuで、決済サービスをStripeに移行した直後くらいにチャージバック申請に関するメールが届きました。
このとき私は、チャージバック申請だとかこのような仕組みがあることを全く知らなかったため、このメールを見て「dispute(紛争)」や「fraudulent(詐欺)」という言葉が出てきてとても怖くなりました。ですが、このメールの最初の一言「First time seeing a disputed payment?(紛争のある支払いを見たのは初めてですか?)」と寄り添うような内容で少しだけ安心しました。
誤解が無いよう先に結論を申し上げますが、tenpuによる不正はなくお客様の誤解であり、お客様との協議のすえ、このチャージバック申請は解決しております。
先程のメールの後半には、チャージバック申請および詐欺についてのFAQおよびドキュメントへのリンクが丁寧に記述されており、私は次に何をしないといけないのかがわかるようになっていました。
チャージバック申請の流れ
1. 顧客がチャージバック申請を行う
利用者がチャージバック申請を行うと、それを受けたカード発行会社が払い戻しを実施します。それを受けてStripeの支払い(Charge)が顧客(Customer)に払い戻しされ、Disputesフラグが付き、Stripeの管理画面「支払い」→「不審請求」にリストアップされます(以下画像は解決済みのため、表示が異なります)。
これは通常、チャージバック申請が届き受理されてから24時間以内に払い戻しが行われます。また、不審請求費用(日本だと1,500円)も同時に請求されStripeアカウント残高から差し引かれます。
2. 顧客への連絡(メール)
ここで、なぜチャージバック申請を行ったのか事実確認のためメールによる連絡を行います。このメールは後ほど証拠として提出するため、連絡先の顧客と運営がコミュニケーションをちゃんと行っており、結果どうなったのかがわかるように連絡を取る必要があります。
3. 証拠の提出
カード発行会社は顧客からのチャージバック申請の確かな理由を調査して、事業者側のミスなのか顧客の誤解なのか不正利用なのかを判断するために、必要な情報の提供を求めます。Stripeはその情報として必要な情報のフォーマットを管理画面の機能として提供してくれています。
入力する内容は
- 商品の詳細(金額設定がわかるとわかりやすいと思います)
- 顧客の名前(Stripe側で設定済み)
- 顧客のメールアドレス(Stripe側で設定済み)
- 顧客のIPアドレス(Stripe側で設定済み)
- 領収書(PDFもしくは画像の提出)
- 顧客とのやり取りの内容(2. 顧客への連絡(メール)のやり取りを提出。複数枚になったのでPDFで複数ページで提出した)
- 情報へのアクセス(サーバのアクセスログを提出します。上記顧客情報と一致しており、かつ対象商品を購入 or 利用したというような確かな情報を含める必要があります)
この申請は1度しか行なえません。十分に内容を確認して情報を提出しましょう。フォームへの入力と証拠の提出は別になっているので、フォームを入力してチームで内容をレビューしてから提出することをおすすめします。 ただし、この証拠提出の期限があり、対応期間は7日〜21日となっています。メールが届いた場合は速やかに証拠提出までの作業を進めましょう。
4. 検証
証拠を提出すると、カード発行会社の検証に入ります。いろいろな調査を行う都合だと思いますが、不審請求1件に対して最終的な判断が行われるには60日〜75日、最低でも2ヶ月かかります。
tenpuでチャージバックされた件は、「請求書の項目名に見覚えがない」という理由でした。*2顧客との連絡で誤解であったことが証明されたので、後日払い戻された分の支払いと不審請求費用の払い戻しがありました。その時届いたメールが以下なのですが
Good news!
で始まっている通り、不審請求について事業者側の主張が認められて解決したよというメールです。これを見てとても安心しました。
まとめ
Stripeでのチャージバック申請についてまとめました。流れを説明しましたが、ほとんどStripeのメールやドキュメント、管理画面のUIから何をすべきなのかがすぐに分かるように工夫されています。とても親切に設計されていると感じ助かりました。
対応した当時も感じていましたが、チャージバック申請への対応方法であったり流れなどの情報がなく本当にこれで良いのか?と不安でいっぱいになった記憶があります。少しでもその不安がこの記事で解消されると嬉しいです。
では、明日のJP_Stripes Advent Calendar 2019の記事もお楽しみに!