こんにちは、CTOの山岡です。
イノベーター・ジャパンのメイン事業はいわゆるクライアントワークです。単に制作を受託するのではなく、お客さまのビジネスの成功に寄与できるよう、そもそもそのシステム(Webメディア等)が必要なのか、他にもっとよいアプローチはないかの部分からお付き合いをさせていただくケースが多くなっています。
そうした各プロジェクトの中で、お客さまと主にお話しするのはWebコンサルタントやWebアナリスト(いわゆる「ディレクター」職に近いところ)となります。しかし例えば、その人たち「だけ」がお客さまと接点を持っている状態で要件と仕様をまとめ、社内のエンジニアやデザイナーに決定事項として制作を指示・依頼するような進め方でうまくいくでしょうか。
もちろん、制作という観点からは、作るものが決まっていればものは作れます。しかしその背景にある、お客さまがどういう企業や団体であるか、担当の方がどういう方でどういう思いを持たれているか、実際にどのような部分を大切にされているのかというような情報は抜け落ちてしまいがちです。
エンジニアやデザイナーは、誰かの役に立ちたいのです。しかしお客さまの顔が見えない状態で話が進んでしまうと、確かにプロジェクトは進んでいるけれど、いまいち手応えを感じられなかったり、お客さまが考えられていたものと違うものを作ってしまい、手戻りが発生してしまったりもします。結果として、クライアントワークのやりがいが著しく減退してしまうことだってあり得るわけです。
プロジェクトの開始時に「キックオフミーティング」をする機会が増えています。お客さまと我々、それぞれがメンバーを紹介してどのような体制でプロジェクトに臨むか、プロジェクトのゴールをどこに置くかを明確にする会議です。
そのキックオフミーティングに、エンジニアやデザイナーもできるだけ参加していきましょう(無理そうであれば、他のどんなミーティングでもかまわないのですが)。最近はオンラインで開催されることも多いので、参加のハードルは高くないはず。実際のお客さまの様子を知ることは大切ですし、たとえ挨拶だけでも会ったことがある、話したことがある関係性になっておくのは大事なことです。
なぜなら私たちは不完全な人間なので、なかなか知らない人の力になろうとは思えないから。もちろん不可能ではありませんが、それよりも顔を合わせたことがある相手の方がより親身になって制作を進められるようになり、制作の背景がわからなければ質問したり、よりよい方法を考えていくことができるようになります。結果、プロジェクト全体の進行がスムーズになるのです。
黙々と制作に集中したいエンジニアやデザイナーがいるのも知っています。けれど、少なくともイノベーター・ジャパンのメンバーはお客さまとの接点を持つことを大切に、意味を感じてやっていってもらえたらよいなと思っています。