頼りにするのと依存するのは違うという話

こんにちは、CTOの山岡(@hiro_y)です。このエントリーは「イノベーター・ジャパンAdvent Calendar 2021」の24日目の記事です。

あなたの会社に「頼りにできるエンジニア」はいるでしょうか。業務に必要なドメイン知識を持っていて、技術的にも複数領域携われる力があるような、そういう存在。

非常にありがたい存在なのですが、彼らに対して私たちはどうしても依存しがちです。この人に聞けば答えてくれる、安心感。それはいつしか依存に変わります。いつの間にか、その人なしではプロジェクトがまわらないようになっていたりしないでしょうか。その人がいるから他にエンジニアを入れなくていい、と判断してしまうこともあるかもしれません。

プロジェクトが小さいうちは、それでもシステム開発が成り立ちます。しかしプロジェクトが大きくなったり、継続性を考えなければならなくなったときに個人の力に頼りすぎてしまうのはリスクが大きいです。

その人がずっと同じプロジェクトを担当するとは限りません。もしかしたら、会社を退職することだってあるでしょう。その場合、職務を引き継がなければならないわけですが、その人が持っているドメイン知識は一朝一夕で培ったものではありません。だから単純に同じぐらいスキルのある人を連れてきても、いきなりその人の代わりにはなれません。さらに技術的に複数領域に携わっていた場合、誰か一人が成り代わることは困難を極めます。

そういうことになる前に、適切な単位で職務を分轄して一人ではなくチームでエンジニアリングする体制を整えたり、知識を外部化していく必要があります(組織や事業が小さいうちは、人に依存した方が早かったり依存せざるを得ないところもあります。ケースバイケースです)。

正直なところ、イノベーター・ジャパンでもそのような体制がきちんとできているわけではありません。ここ数年で事業領域が変化(MediaDXの展開拡大など)、それにともなってプロジェクトの性質が変わりました。より持続的な開発体制が求められるようになり、組織がその変化に追いつけていない現状があるので、長期的な展望で戦い方を模索しつつ、また少しずつ体制を整え始めています。

「頼りにできるエンジニア」はいてくれないと困ります。しかし、特定の人にだけ「頼り切りになる」のはよくないという話です(エンジニアに限りませんね)。そういう人も巻き込みつつ、チームで戦っていけるような仕組み作り、組織作りをしていきたいところ。ちょっと頼られすぎているな…と感じたら、早めに自分の職務の分轄を相談できるとよいかもしれません。業務としてはなるべく誰でもできるように。そして職務は適切に分割され、継承可能なようにしていきたいです。

イノベーター・ジャパンではそのための環境作りも進めています(フルリモートでのジョブ型雇用なども)。チームで分担してのエンジニアリング体制を作っていくことに興味があるエンジニアさん、募集中ですので興味が少しでもわいたら是非是非お声がけください。お待ちしています。